top of page

目標さがし


4月8日に日本に帰って、すぐに目標を立てた。

・9月に自分のブランドを立ち上げる

・マスコミに紹介される

・百貨店で販売をする

これは、すべて上海でかなえてきたことだった。

日本でもやらなければ!

ライバルの少なかった上海とは土壌が違う。

そう簡単にはいかないことはわかっていたが、

焦りと同時に、意地になっていたと思う。

上海の仕事の整理も、まだ終わっていなかった。

上海のことは、私の心をかきむしり、萎えさせ、

そして、奮起させた。

今思うと、自分よがりだったかもしれない。

でも、それがあの時の自分のガソリンだった。

慣れない両親の介護での疲れ、仕事を失った焦燥感、

そんな中で、自分を保てる何かが必要になっていった。

図書館や書店に行って、自分に必要な「モノ」を探した。

手に取る本で、自分が何を求めているのかを知ることができる。

私はひたすら答えを探していた。

「私はなぜ日本に帰って来なければならなかったのか。日本で何をすればいいのか」

どうしても、この答えを見つけたかった。

自分がこれと思った本を、片っ端からむさぼり読んだ。

そこで出合ったのが仏像の写真集だった。

仏像を見るうちに、仏像を彫った仏師の気持ちや彫られたその時代に思いを馳せるようになった。

今まで、どれくらいの人々が、この仏像を見て、苦しみを乗り越え、支えられてきたのだろう。

なぜ、この仏像はこんな形をして、こんな表情をしているのだろう? 

そう思い、仏教についても調べるようになった。

仏師が表現したかったことが、おぼろげながらもわかると、興味はさらに広がっていった。

釈尊が伝えたかったこととは? 

自分なりの答えを探し続けた。

そして、自分なりのテーマが決まったとき、ぬいぐるみで仏像を作ってみようと決めた。

それは自分自身を癒す作業でもあったと思う。

作りながら、自分の今の状態を知り、どう表現するか悩み、やり直し、また作りを何度も繰り返した。

特集記事
後でもう一度お試しください
記事が公開されると、ここに表示されます。
最新記事
アーカイブ
タグから検索
まだタグはありません。
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page